リヴァプールのトレント・アレクサンダー=アーノルドが、今季限りでのチーム退団を決断するまでの葛藤と、サポーターへの感謝の思いを明かした。20年にわたってクラブに在籍した同選手は、「簡単な決断ではなかった」と胸の内を吐露した。

「まず初めに言いたいのは、簡単な決断ではなかったということだ。多くの思いと感情が詰まっている」とアーノルドは切り出した。リヴァプールで過ごした20年間を振り返りつつ、「みんなが今回のニュースに長く引きずられることなく、チームが成し遂げたことを祝福してくれることを願っている」と続けた。

サポーターへの感謝

アーノルドは特にリヴァプールのサポーターに対して強い感謝の思いを示した。「言いたいことはたくさんある。でも一番伝えたいのは、大きな感謝の気持ちだ」と述べた彼は、「最初からそばにいてくれた。サポートしてくれて、愛を注いでくれた」と続けた。

「常に背中を押してくれたことに感謝している。クラブを常に愛し続ける。クラブの人々、ファンやサポーターを愛している」と熱い思いを語った同選手。心境の吐露からは、リヴァプールというクラブに対する深い愛着が伝わってくる。

20年という長い時間をリヴァプールで過ごしてきたアーノルドは、ユース時代から頭角を現し、チームの象徴的存在へと成長した。特に近年は右サイドバックのポジションに革命をもたらす存在として世界的な評価を確立。そのプレースタイルは現代サッカーにおける「インバーテッド・フルバック」という戦術の先駆けとなった。

選手としての別れ、サポーターとして物語は続く

最後に彼は、「プレーヤーとしては離れるが、ファンとしてではない。常にリヴァプールのファンであり続ける」と語り、クラブへの愛情は変わらないことを強調した。

アーノルドの退団は、クラブにとって一つの時代の終わりを意味する。サイドバックという守備的ポジションながら、卓越したパスセンスとクロス精度で攻撃の起点となった彼の後継者探しは、次シーズンに向けた重要課題となるだろう。

将来的な移籍先については明言を避けたものの、新天地候補としてはスペインの強豪レアル・マドリーが有力視されている。しかし、今後どのようなキャリアを歩むことになったとしても、リヴァプールでの輝かしい20年間は彼のキャリアの礎として刻まれることになる。